事業主(会社)が義務を負う健康診断のポイント7つ

1.業種や規模を問わず、事業主には健康診断を行なう義務があります

労働者が1人でもいれば、健康診断の義務が生じます。
健康診断には、雇い入れ時の健康診断、定期健康診断などがあります。

 

2.常時使用する労働者に、健康診断を行なわなければなりません

常時使用する労働者には、正社員だけではなく、アルバイトやパートも含まれます。

常時使用する労働者とは、次の1と2の両方を満たす労働者をいいます。

1)期間の定めのない雇用契約がある
※期間の定めがあっても1年以上であったり、更新により1年以上使用されている場合は常時使用する労働者に該当します。

2)労働時間数が通常の労働者の所定労働時間数の4分の3以上である
※例えば、正社員の労働時間が週40時間の場合、週30時間以上のアルバイトやパートは常時使用する労働者に該当します。

 

3.健康診断の費用は事業主が負担しなければなりません

事業主(会社)の健康診断実施義務は、法律で定められているため、事業主が負担が負担すべきものとなっております。

なお、健康診断を受けている時間の給与については、支払わなくても差し支えございません。

 

4.定期健康診断は、1年以内毎に1回、実施しなければなりません

定期健康診断で代替することにより、雇い入れ時の健康診断を省略することはできません。

 

5.定期健康診断の検査項目は次のとおりです

(1)既往歴及び業務歴の調査
(2)自覚症状及び他覚症状の有無の検査
(3)身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
(4)胸部エックス線検査及び喀痰検査
(5)血圧の測定
(6)貧血検査
(7)肝機能検査(GOT、GPT及びガンマ-GTPの検査)
(8)血中脂質検査
 (LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド)
(9)血糖検査
(10)尿検査
(11)心電図検査

※医師が必要でないと認める場合は、省略できる項目がございます。

 

6.事業主は、記録の作成・通知、報告義務があります

[記録]
健康診断を実施したときは、健康診断個人票を作成し、5年間保管しなければなりません。

[通知]
労働者には結果を通知しなければなりません。

[報告]
常時50人以上の労働者を使用する事業主は、労働基準監督署に定期健康診断結果報告書を提出しなければなりません。

 

7.労働者は拒否できません

労働者は、健康診断を受ける義務がございます。
事業者が行なう健康診断を受けたくない場合は、自分で健康診断を受け、その結果を事業主に提出することは可能です。
 

その他、健康診断には、上記以外にも特殊なものがございます

特定業務従事者(深夜業など)、海外派遣労働者、給食従業員、歯科医師による健康診断、二次健康診断、長時間労働者など
 


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