訪問介護事業所の労働保険・社会保険

労働保険・社会保険 近年、労働保険や社会保険の未加入問題が各業界に広がりを見せていく中で、いよいよ介護業界にもその波が押し寄せてきました。
自治体によりましては、介護保険法の事業所指定を受けると、管轄の労基署に情報提供がなされているようです。

また、処遇改善加算は労働保険への加入が前提となっており、労働保険への未加入率は低下しつつあります。

一部の自治体では、訪問介護の事業所指定の段階から、労働保険や社会保険への加入状況をチェックされるようになりました。

CF
・クリニックの保険医療機関の指定申請においても、労働保険や社会保険の加入状況の確認が開始されています(平成29年8月に確認)
・建設業界では、社会保険未加入の排除措置を2次下請以下も対象にすることになりました(平成29年4月より)

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<労働保険・社会保険とは>

労災保険と雇用保険を合わせて「労働保険」といいます。
健康保険と厚生年金を合わせて「社会保険」といいます。

以下、訪問介護事業所(訪問看護やデイサービスなども同様)を前提に記載しています。他の業種には当てはまらない場合がございますので、ご注意ください。
また、あくまで一般的な解釈を記載しています。この記載とは異なる場合がありますので、各官庁にて確認してください。

 

訪問介護事業所の労働保険

労働者を一人でも雇入れたときは、労災保険の加入が義務付けられます。
週20時間以上勤務する労働者を雇入れたときは、雇用保険の加入が義務付けられます。

 

訪問介護事業所の社会保険

管理者やサービス提供責任の要件に「常勤」があります。
常勤は、一般的には週40時間勤務することが必要です。

常勤の4分の3以上(週40時間が常勤の場合は30時間以上)勤務する労働者は、健康保険と厚生年金の加入が義務になります。(ただし、労働者が500人超の大会社は週20時間以上)
※国民健康保険や国民年金ではダメです。

 

役員の労災保険について

労働保険 代表取締役(理事長・代表理事・代表社員などの代表権のある役員)は、労災保険の対象外です。
(※ただし、特別加入することは可能です)

1.取締役・理事・無限責任社員等であっても、法令・定款等によって業務執行権を有すると認められない者で、他の労働者と同じように指揮監督を受けて労働し、賃金を得ている者は、「労働者」にあたります。

2.法令や定款の規定により、業務執行権を有しない取締役等であっても、内部規則等によって、業務執行権を有する者と認められる者は、「労働者」にあたりません。

3.監査役・監事は、事実上一般の労働者と同様に賃金を得て労働に従事している場合は、「労働者」にあたります。

※保険料の対象となる賃金は、「役員報酬」の部分は含まれず、労働者としての「賃金」部分のみです。

 

事業主と同居親族の労災保険

同居の親族は、事業主と居住及び生計を一にするものであり、原則として「労働者」にあたりません。(雇用保険対象外です)

ただし、親族以外の労働者を使用する事業において、その同居親族が一般事務又は現場作業等に従事し、次の条件を満たすものについては、労働関係が成立しているものとして「労働者」として取り扱います。

1.事業主の指揮命令に従って労働している場合

2.実態として、他の労働者と同様の労働条件(始業・就業・休憩・休日・休暇など)であり、賃金の計算方法なども他の労働者とかわらず、タイムカードなどで勤怠管理がなされているような場合

 

役員の雇用保険について

1.株式会社の代表取締役は被保険者になりません。

2.株式会社の監査役は原則として被保険者になりません。

3.株式会社の取締役は原則として被保険者になりません。
ただし、取締役であって、同時に部長、支店長、工場長等の従業員としての身分を有する者は、服務態様、賃金、報酬等の面からみて労働者的性格の強いものであって、雇用関係があると認められる者に限り「被保険者」となります。

※株式会社以外の役員等について
・合名会社、合資会社、合同会社の社員は株式会社の取締役と同様に取り扱い、原則として被保険者となりません。
・有限会社の取締役のうち、会社を代表する取締役は被保険者になりません。
・その他法人の役員は、雇用関係が明らかでないかぎり被保険者とはなりません。

※保険料の対象となる賃金は、「役員報酬」の部分は含まれず、労働者としての「賃金」部分のみです。

 

事業主と同居親族の雇用保険

原則として雇用保険の被保険者に該当しません。
ただし、次の条件を満たしていれば被保険者になる場合があります。

1.事業主の指揮命令に従って労働している場合

2.実態として、他の労働者と同様の労働条件(始業・就業・休憩・休日・休暇など)であり、賃金の計算方法なども他の労働者とかわらず、タイムカードなどで勤怠管理がなされているような場合

3.事業主と利益を一にする地位(役員等)にない場合

 

役員の社会保険について

社会保険1.代表取締役、理事長、代表理事、代表社員など、名称に関わらず、代表権のある役員で、役員報酬等の対価を受ける者は、被保険者になります。

2.非常勤役員の場合は、個々の状況に応じて判断されます。
判断基準は、概ね次のような項目です。

実態として常勤か非常勤か
役員報酬で保険料を支払えるか
経営に参画しているか
他の労働者と比較して同視できるか
重要な会議(役員会など)に出席しているか
経営に影響力を持っているか

非常勤役員だからといって、一律に加入義務がないわけではありません。

新規適用から概ね半年程度、また、3,4年に一度、年金事務所の調査があります。
その調査時に、加入漏れを指摘され、2年前に遡って加入し保険料を徴収されるというケースがあります。
2年分の保険料ですので、そこそこ大きな金額になりますので、事前に加入義務の有無は確認しておくとよいでしょう。

 

2か所以上で役員を兼務している場合の社会保険

2か所以上の法人で加入条件に当てはまる場には、それぞれの法人で被保険者になります。
被保険者となる法人でそれぞれ資格取得の届出を行い、いずれかの年金事務所を選択する旨の届出を一緒に提出します。

その場合の保険料は?
社会保険料は、それぞれの法人の報酬を合算した金額に応じて標準報酬月額が決定されます。そして、それぞれの法人で支払う報酬額に応じて保険料を案分し、その 案分された保険料をそれぞれの法人で支払うことになります。
(年金事務所より、それぞれの法人に保険料が通知されます)

 

よくある疑問

・登録ヘルパーの労働保険、社会保険は?

労災保険は原則加入になります。
雇用保険は、週20時間以上勤務する方は加入義務があります。(1か月86時間あたりがボーダーライン)
社会保険は、(常勤が週40時間の場合)週30時間以上勤務する方は加入義務があります。

・親族だけで事業所を立ち上げた場合の労働保険は?

同居の親族のみで構成されている場合は、労災保険も雇用保険も適用されません。
※処遇改善加算も申請できないので注意が必要です。

同居の親族以外を新たに雇用したときは、同居親族も労災保険や雇用保険の適用を受ける場合があります。
(本ページの「同居親族の労災保険」や「同居親族の雇用保険」をご確認ください)

・助成金は活用できますか?

雇用保険に加入している事業所は、色々と活用できる助成金がございます。

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