ここだけは押さえたい就業規則のポイント5つ

就業規則作成

1:就業規則の作成義務

常時10人以上の労働者を使用する場合は、必ず就業規則を作成しなければなりません。
また、作成した就業規則は労働基準監督署に届け出なければなりません。

常時10人以上とは、正社員だけではなく、アルバイトやパートなど、すべての労働者が含まれます。

2:就業規則の適用範囲

就業規則はすべての労働者に適用されます。

正社員とパートなど、就業形態や業務内容の違いから、一律に適用される就業規則の作成が難しい場合は、正社員用の就業規則とは別にパートタイム用の就業規則を作成することもできます。

3:就業規則に記載するもの

絶対的記載事項
就業規則には、絶対に記載しなければならない事項がございます。下記は必ず盛り込まなければなりません。

1.始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交替制の場合には就業時転換に関する事項
2.賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
3.退職に関する事項(退職の事由、解雇の事由等)

相対的記載事項
就業規則には、定めがある場合にのみ記載しなければならない事項もございます。

4:労働者の意見を聴く

就業規則の作成・変更は労働者の意見を聴かなければなりません。
就業規則を作成したり変更した場合、労働基準監督署への届出が必要(10人以上の場合)になりますが、その際、労働者の意見書を添付しなければなりません。

※労働者から意見を聴くとは、就業規則の内容に同意してもらうという意味ではなく、反対意見があったからといって就業規則が無効になるわけではありません。

5:社会保険労務士の活用

就業規則は、使用者と労働者とのトラブルを未然に防ぐためにはとても重要なものです。
就業規則作成に必要な労働基準法をはじめとする労働法規の専門家である社会保険労務士にぜひご相談ください。
社会保険労務士は、就業規則作成の専門家です。

社会保険労務士法人オフィス結いは、医療分野・介護分野に特化した事務所です。

クリニック、有料老人ホーム、サ高住、訪問介護、訪問看護など、24時間の体制が求められる職場では、一般企業とは異なる労務管理が必要となります。

夜勤、宿直、交代勤務や変形労働時間制の導入、急患に対応するための残業、自宅待機(宅直)の取り扱いなど、就業規則や各種規程を整備し、労務管理を行います。

登録ヘルパー就業規則

訪問介護事業所などの登録ヘルパーは、直行直帰や利用者宅を移動してサービスを提供するため、その移動の時間の管理が難しくなります。これらは、予め就業規則によって規程しておくことで、後の労使間トラブルを防止できる場合がございます。

福利規程の整備

従業員への福利厚生、特に医療法人による福利厚生(保養所等の利用権・会員権保有)は、福利規程の作成が必要になります。通常、就業規則とは切り離して福利規程を別に作成します。

処遇改善加算

訪問介護等の介護保険法に基づく居宅サービス等や、障碍者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業など、介護職員の処遇改善のための加算がございます。
この加算をするためには、就業規則・賃金規定の作成だけではなく、キャリアパス要件(職務及び任用要件)を定めなければなりません。
労働保険(労災保険)への加入も必須です。
社会保険労務士は、これらの手続きも代理・代行することができます。