第11回 紛争解決手続代理業務試験(特定社労士試験)

紛争解決手続代理業務試験(特定社労士試験)の復元解答です。
私が実際に第11回紛争解決手続代理業務試験を受験し、試験で解答した内容をそのまま記載しています。

※模範解答ではありません。
※文章としてちょっとおかしい所もございますが、修正等せず、試験当日に書いたまま記載しています。ご容赦ください。

復元解答

第1問

小問1

Xは、Y信金に対し、Y信金の被用者より受けた不法行為を理由とする使用者責任に基づく慰謝料及び労働安全配慮義務違反を理由とする債務不履行に基づく慰謝料として、金300万円及び本件解決の日まで年14.6%による遅延損害金の支払いを求める。

小問2

①平成27年6月頃、取引先との会食で、Xはアルコールが弱く飲酒を断ったところ、取引先の人の前で叱責され、翌日にはビールを無理矢理飲まされ嘔吐し、業務範囲を超える指導を受けたこと。

②支店長に、Rのことについて忠告するよう申し入れを行なったが、その後も改善されることがなく、Xに対する配慮義務をおこたりうつ病を発症するに至ったこと。

③6月23日、「バカヤロー」「グズでノロマだ」「失格社員だ」などの暴言、ロッカーを足で蹴り上げ、Xの肩を突くなどの暴力的行為を行い、業務範囲を超える指導を受けたこと。

④Xに対する行為は、飲酒を拒否したり、支店長に訴えたことへの報復であったこと。

⑤7月30日、Rから「不適格だ」「クズ野郎だ」「死んでしまえ」などの暴言、ボールペンを投げつけ、Xを突き飛ばすなどの暴力や、Xの意に反して退職届の提出を強要したこと。

小問3

①Y信金はホットラインを設け、セクハラ・パワハラについて毎年研修をしており、Rも研修を受けていたが、Xからはホットラインを通じた相談や申出もなく、本件を知ったのはXからの退職届提出後であること。

②Rの行為は、Xが支店長に訴えたことについての報復行為ではないこと。

③退職届に署名・捺印させたのは、RとXにそれだけの覚悟を持った真剣な仕事をさせるための教育的手段であって、本気で退職を求めたものではないこと。

④Xは、前職においてうつ病で1ヶ月休業するなど、もともとうつ病親和性の体質をもっており、Rの行為との因果関係がないこと。

⑤Xへの言動は、指導教育の範囲内で、社会通念上相当であり、セクハラ・パワハラ防止措置もとっていることから、何ら責任はないこと。

小問4

Y信金は、パワハラを認めていないが、Xが主張する行為があったことは概ね認めており、その中には明らかな暴力行為も含まれていることから、事実を積み上げることでパワハラがあったと認定される可能性が極めて高いと考える。また、支店長にも改善の申入れをしており、Y信金がXに対する配慮義務を怠ったことも明らかであると考える。したがって、審判・裁判においてパワハラによる慰謝料請求が認められる可能性が高い。なお、Y信金はRの行為について認識しており、使用者責任についても認められると考える。

Y信金は金融機関ということもあり、パワハラ(不法行為)があったとは簡単には認めないと考えることから、解決金の名目であれば少々高額であっても和解に応じる可能性が高い。一般的には給与の3か月分が妥当であると考えるが、上記の理由から4か月分金200万円であれば、和解に応じる可能性が高い。

第2問

小問1

受けるべきではない

甲は、単にA社の株を一部保有しているに過ぎず、その持分からA社の経営に影響を及ぼす可能性もなく、A社に対する守秘義務もない。しかしながら、万一、Bにとって良くない結果となったときは、甲がA社の株を保有していることで、公正に業務を遂行していないのではないかと疑われてしまうおそれもあることから、依頼を受けるべきではない。

小問2

受けられない

社労士法の業務を行ない得ない事件に該当しないが、Bの代理人としてA社と交渉あるいは不法行為を追求する過程において、Cの不法行為を立証しなければならず、BとCの利益が相反することになる。また、Bに対する守秘義務とCに対する守秘義務が対立・抵触することから、依頼は受けられない。


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